前回の記事では融資を受けるメリットデメリットを解説しました。
今回は実際に
- どこの融資先がおすすめか
- どうやって受けたらいいか
を解説します。
融資先候補一覧
せどりで融資を受ける際、以下の会社や機関、方法があります。
- 銀行
- クラウドファンディング
- 個人融資
- 消費者金融
- 日本政策金融公庫
この中でおすすめは日本政策金融公庫ですが、まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
銀行(金利2%程度~14%程度)
金利は比較的低いものの、審査が非常に厳しいです。
銀行にも様々な種類があり、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行のメガバンク、
地方銀行、そして信用金庫です。
細かい違いについては割愛しますが、ざっくりと特徴を説明すると
- メガバンクは審査がものすごく厳しい
- 地方銀行は審査がかなり厳しい
- 信用金庫は比較的厳しい
と覚えてください。
つまりどれも審査は厳しいのです。
メガバンクの場合は厳しいというより足を運ぶだけ無駄でしょう。
地方銀行、信用金庫の順で審査は緩くなりますがそれでも比較的厳しいのは変わりません。
金利も特別安いわけではないのでできれば日本政策金融公庫がいいでしょう。
どうしても銀行にこだわるなら比較的審査の緩い信用金庫に申し込みましょう。
クラウドファンディング
ネット上で不特定多数の人から融資を募るクラウドファンディングです。
事業資金を集めるための手段として最近流行っていますね。
融資のハードルとしては非常に低いです。
サイトに登録して融資を募るだけですし、集まらなくてもリスクはありません。
ですがせどりで資金を集めるのは難しいかもしれません。
そもそも「せどり」という事業を理解してもらうのが難しいです。
(不特定多数から共感や理解を得られないと出資が集まりません)
また、クラウドファンディングの場合、
出資者全員に何らかの「返礼」をする必要があります。
また、集めた資金の何%かはサイトに手数料として徴収されます。
全額資金になるわけでもなく、出資者に返礼(金利やサービス)をすることを考えると
せどりの融資先としては向いていません。
サービスで返礼できるモノ作りとか、新しいお店や観光地などの融資に向いた方法です。
個人融資
人脈があれば人から借りるのも手です。
親族や友人に出資してもらうのもいいでしょう。
場合によっては金利もかからないかもしれません。
できるのであればこの方法が一番かもしれません。
消費者金融
絶対に借りてはいけません。
融資のハードル自体は低いものの、金利は非常に高く、
場合によっては簡単に10%を超えます。
ここで借りるくらいなら借りずに自己資金を複利でゆっくり増やしていきましょう。
ただし、例外として一時的に大きな仕入れチャンスが来た時に
「30日利息0円キャンペーン」などを利用するのは悪くないと思います。
日本政策金融公庫
聞きなれない機関かもしれませんが、
日本政策金融公庫は財務省の特殊会社です。
業務内容は事業者に対する貸し付け、つまり融資専門会社です。
利益重視の法人ではなく事業者を支援する公的金融機関のため、
- 低金利
- 長期返済期間
- 審査のハードルの低い
と魅力的な条件で貸し付けを行っています。
特に創業間もない事業者は
【新創業融資制度】を受けられますのでさらに有利に融資を受けることができます。
はっきり言ってここ以外で融資を受ける理由が見当たらないほどの条件です。
まずはここでの審査を受けましょう。
というより、ここで融資を受けられなかったら銀行ではおそらく融資を受けられません。
日本政策金融公庫について
「政府系金融機関」の一つです。
先ほども書きましたが、主な事業内容は融資です。
銀行に比べても審査は緩く、また金利も低め、無担保でも借りられるとあって
せどりの融資には最適です。
審査に若干時間がかかるくらいしかデメリットがありません。
通常の融資もお勧めですが、もしあなたが創業間もない事業主なら
通常の融資ではなく「新創業融資制度」を受けましょう。
無担保・無保証で3000万円までの事業融資を受けられるという融資制度です。
この制度を利用するには以下の条件に当てはまればOKです。
- 事業を新規で興す方
- 確定申告が0回、もしくは1回のみ
- 創業資金額の10%を保持している方
- その他要件を満たす方
これからせどり事業を興す方や、もうすでに事業として始めているけど
まだ1回しか確定申告をやっていない、という方なら条件に当てはまりますね。
創業資金額は例えば200万円事業資金として必要な場合、
最低20万円を資金として持っているかどうか、という意味です。
上記の条件に該当しない方は通常貸付になりますが、
こちらも銀行などの融資に比べて金利も低く審査もゆるめです。
日本政策金融公庫から融資を受ける前に
実際審査を申し込む前に以下の項目を確認しておきましょう。
審査が有利になります。
- 一定の自己資金を保持しているか
- 商工会に加入しているか
- 個人事業主、もしくは法人化しているか
- 古物商免許があるか
- 税理士との付き合いがあるかどうか
必須項目ではありませんが、満たしていると審査が通りやすくなります。
自己資金は融資を申し込む額の10%~30%程あればいいとされています。
多ければ多いほど有利なのでできる限り現金は持っておくようにしましょう。
商工会とはその地域の商業の発展をサポートする団体です。
お住いの市町村に必ず存在します。
街の商工会に加入していると審査自体も有利になりますが、
何より商工会の会員が融資申し込みをサポートしてくれます。
月1000円ほどの会費を払えばだれでも入れます。
個人事業主や法人になっている、
もしくは古物商の免許を持っていると融資を受けやすくなります。
融資の面談の際、スタッフにせどりの事業を説明するときに説得力が出るからです。
副業のサラリーマンでも個人事業主の登録はできますし、
古物商の免許も誰でも取ることができますのでぜひ取得しておきましょう。
最後は税理士です。
税理士はお金の専門家です。
融資の手続き相談にも乗ってもらう事ができます。
費用は掛かりますが、融資のサポートを税理士に委託するという方法もいいでしょう。
全面的に委託すれば書類の作成から紹介状の発行、申し込み、
そして日本政策金融公庫のスタッフとの面談まですべてサポートしてくれます。
特に日本政策金融公庫のスタッフとの面談では
お金に関する細かい質問をされることがあります。
慣れていない方(ほとんどの方がそうだと思いますが)は答えに詰まってしまうでしょう。
そんなときも完全にサポートしてくれます。
気になる費用ですが、書類作成などのサポートで約3~5万円。
フルサポートだと着手金2~5万円と成功報酬として融資額の数%を差し引かれます。
この報酬に関してはすべての税理士で金額がバラバラ(税理士は自由報酬制のため)なので
もし依頼する際は複数の事務所に行って話を聞くようにしましょう。
高い報酬額=良い税理士ではありません。
日本政策金融公庫から融資を受ける手順
では実際に融資を受けるための順番を確認していきましょう。
- 日本政策金融公庫に電話連絡
- 実際に出向いて申し込みをする
- 必要書類の記入
- スタッフによる面談
- 事業場所の視察
1.日本政策金融公庫に電話連絡
まずは受付の予約を取ります。
アポなしで行っても帰されてしまうので行く前に必ず予約を取りましょう。
予約は一番近い日本政策金融公庫の店舗です。
日本政策金融公庫の店舗は各都道府県に複数あります。
2.実際に出向いて申し込みをする
約束の日時に日本政策金融公庫に行き必要書類をもらいます。
このときわからないことがあれば先に聞いておきましょう。
二度手間にならずに済みます。
3.必要書類の記入
必要書類は融資の種類や借りる条件によって変わってきますが以下の2つは必須です。
- 創業計画書
- 企業概要書
そのほか、提出を要求される書類には以下のようなものがあります。
- 身分証(運転免許証等)
- 部屋の賃貸契約書
- 銀行の通帳や取引記録
- 公共料金支払い実績書類
- 借金がある場合は残金がわかる書類
- 確定申告書
- 収支内訳書
場合によってはこれ以外の書類も必要になってきます。
窓口で詳しく教えてくれるのでしっかりと確認しましょう。
4.スタッフによる面談
書類を提出してしばらくすると面談の日時を指定されます。
面談では事業に関する質問をされますが、人によって質問内容が若干異なります。
共通するのは事業内容や事業計画、今後の予定です。
数字に関する質問が多くなりますのでしっかりと頭の中に叩き込みましょう。
5.事業場所の視察
面談が終わると最後に事業所の視察が行われます。
視察と言っても大したことはなく、本当にただ場所を確認するだけです。
虚偽の住所でないことが確認できればすぐに終わります。
以上で手続きは終了です。
スムーズにいけば1カ月前後で融資の可否が決まります。
まとめ
せどりで融資は受けられます。
そしてせどりで融資を受けるには色々な方法がありますが、
現在のところ日本政策金融公庫以上の融資先は有りません。
どこよりも審査が緩く、金利も低く、返済期間も長期です。
他の融資先を検討する理由はありませんね。
物事には機運というものがあります。
「事業の規模を大きくしたい」
「今、資金があれば事業をもっと大きくすることができる。」
そう思ったら融資を受けて資金を増やし、一気に規模を拡大させましょう。
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