前編では古物商についてと、必要な書類の取得方法について解説しました。
今回は実際の記入方法や提出後にしておく準備や流れなどを解説して行きます。
各書類の記入方法
では先ほど集めた書類を記入していきましょう。
記入時に特に悩みそうなところについて詳しく解説します。
かなりややこしくて複雑なので、
間違えないよう1枚1枚注意しながら記入していきましょう。
ちなみに間違えても多少なら訂正印で修正可能です。
(僕の地域ではOKでした)
別記様式
- 別記様式第1号その1(ア)(第1条関係)
古物商と古物市場主とありますので、「古物商」に〇をします。
古物市場主は個人のせどらーは不要です。
次に種別を「個人」。
住所氏名は自分の住所を記載。
【行商をしようとする者であるかの別】
ここは「する」でOKです。
「しない」に〇をするケースはほとんどありません。
【主として取り扱おうとする古物の区分】
これはせどりで何をメインで取り扱うか、です。
せどりでは色々なジャンルを取り扱うことがあると思いますが、
その中でも自分がメインで扱っているものどれか一つに〇をしましょう。
CDなら道具類。
本せどりなら書籍類。
わからない場合は警察署に確認しましょう。
- 別記様式第1号その2(第1条関係)
【形態】
必ず「営業所あり」です。
実際に使用するしないに関係なく、
古物商の営業所として自宅を設定しますので、必ず営業所はありになります。
所在地は営業所の住所です。
せどり用の事務所を別で借りている人はそちらを記入。
そうでない場合は自宅住所を記入します。
ほとんどの方は自宅の住所を書きますね。
【取り扱う古物の区分】
「先ほど様式その1で書かなかったっけ?」
って思う方もいると思いますが、先ほど記入したのは「メイン」です。
ここでは「メイン以外に取り扱うもの」を選択します。
例えばメインはCD(道具類)なんだけど、
本も扱うし服も扱う、という場合はここで衣類と書籍に〇をします。
扱う可能性のあるものすべてに〇をしましょう。
「なら全部〇しちゃったほうが得?」
と思うかもしれませんが、あまりに〇が多いと警察の方から確認が入ります。
特に自動車に関しては普通〇しても申請が通りません。
(とりあえずで〇をすると怒られます)
〇が多ければ多いほど扱えるものが増えますが、
申請が通りづらくなったり、どこかで盗品事件があったときに頻繁に警察から連絡が来ます。
例えばCDが盗まれたら道具商すべてに確認が入り、
服が盗まれたら衣類商すべてに確認が入るためです。
両方に〇をしていると両方の事件で警察から確認が入ることになります。
扱う可能性がほぼないものに関しては〇をしないようにしてください。
大体4~5個くらいなら特に注意されることもありません。
もし後々〇していないジャンルを扱うことになったら追加申請すればいいだけです。
- 別記様式第1号その3(第1条関係)
インターネットのホームページを使って売買する人は、この用紙への記入が必要になります。
自社サイトを持っている人ですね。
アマゾンやメルカリなどの場合は必要ありません。
(ですが一応確認取ってください。)
もし記入する場合は、この用紙に自分のホームページのURLを1文字1文字記入していきます。
例えば「Amazon.jp」というURLだとしたら
「A」「M」「A」「Z」「O」「N」「.」「J」「P」と記入します。
上にふりがなも振ります。
地域によって書かなくていいそうですが、僕のところは全部記入させられました。
記入する場合はAmazon.jpなので、
「エー」「エム」「エー」「ゼット」「オー」「エヌ」「ドット」「ジェイ」「ピー」
こんな感じで記入してください。
手数料納付書
名前を書いて手数料額の項目に19000円と記入すればOKです。
誓約書(2枚)
個人用と管理用で計2枚あります。
これは前編でも解説した古物営業法第4条(許可の基準)、
つまり「欠落事由」に該当しませんよ、という誓約書です。
名前を書いて捺印するだけです。
略歴書
過去5年間どんな仕事をしていたか、という経歴を書く書類です。
企業の面接時などで履歴書につける略歴書に近いものです。
【例】
- 「○○年〇月〇日~××株式会社にて勤務」
- 「○○年〇月〇日~■■株式会社にて勤務」
- 「○○年〇月〇日~無職」
- 「~○○年〇月〇日 現在に至る」
こんな感じで記入していってください。
空白期間があると書き直しです。
無職の期間があったらはっきりと無職と書くようにしてください。
使用承諾書
賃貸に住んでいて、そこを営業所として使用する場合、
当然自分のものではありませんので、持ち主の会社や大家さんに許可を得る必要があります。
「営業所として使用することを許可します」
という書類です。
オーナーさんに書いてもらうパターンと管理会社に書いてもらうパターンがあるので、
警察署に確認するようにしてください。
なお、管理会社によっては許可が下りない場合があります。
そもそもほとんどの賃貸住宅の場合は契約書に
「住居以外の利用を禁止する」と書いてありますから、許可が出ないほうが普通です。
とはいえ、「絶対にダメ!」ということもないので、
うまく管理会社を説得する必要があります。
コツとしては
- 「実際に客の出入りなどはない」
- 「ほかの住民に迷惑かけることはない」
この辺りを重点的に説明すれば比較的OKが出やすいです。
管理会社は
- 「ほかの住民から苦情が出る」
- 「建物や住居に損害や劣化が出る」
ことを警戒しているわけです。
そこをきちんと説得するようにしましょう。
断られてしまった場合はそこを営業所に設定できませんから、
別で事務所を借りるかレンタルオフィス、バーチャルオフィスを
利用するといった方法で対応しましょう。
記入するものは以上で終了です。
ほかは入手するだけで特に記入する項目はありません。
賃貸借契約書の写し
自宅ではなく賃貸住宅を営業所に設定する方は、賃貸契約書の写しをコピーしてください。
コピーする部分は地域によっても違うようですが、僕の場合は全ページコピーでした。
URL証明書
前編でも軽く触れましたが、
自社サイトがある人は自社サイトであることを証明する書類が必要です。
ドメインの契約画面をスクショして印刷するのが一番簡単です。
住所氏名やURLがわかる画面をスクショしましょう。
住民票(本籍記載)
身分証明書
登記されていないことの証明書
この3枚は特に記入する項目はありません。
もらってくるだけです。
申請~許可まで
書類の記入が終わったらすべての書類を持って警察署に行きます。
収入証紙を買っていない人はここで19000円分の収入証紙を買ってください。
(警察の窓口で購入できます)
19000円の収入証紙と一緒に、生活安全課、古物営業担当に
書類を提出すれば申請は終了です。
あとは40日~60日の審査期間を経て合否が出ます。
審査とはいえ、欠格事由に該当していない限り落ちる人はほぼいません。
ただし、ほとんどの人が書類に不備があるとかなんとかで
1~2回警察署に来るように、と呼び出しを受けます。
たいてい簡単な修正と聞き取りですので、心配する必要はありません。
何回か足を運ぶことがあるということだけ覚悟しておきましょう。
また、地域によっては営業所の立ち入り検査があります。
立ち入り検査といっても
「本当にそこに家があるかどうか」を
確認しにくるくらいの簡単なものです。
家(もしくは事務所)に警察官が来て、ちょこちょこっと立ち話をして終了です。
特に厳しく何かを見られる、ということはありません。
虚偽の申請(嘘の住所や架空の住所を申請した)でない限り、なにも心配もありません。
書類を提出したら、審査を待っている間「古物商プレート」と「帳簿」を用意しましょう。
古物商プレートとは古物商を営んでいることを示す看板のようなものです。
古物商許可を取ったら営業所の入口、一番目立つところに掲示しておかなければいけません。
これを持っていない、もしくは掲示していない場合は古物営業法違反になります。
罰則も当然あります。
許可が下りる前に用意しておきましょう。
警察署でも買えますが、非常にチープです。
常に玄関に掲示するものなので、できれば見栄えのいいものを作りましょう。
Amazonで2000円前後で見栄えのいいものを作ってくれる業者があります。
表示されている「○○商」は自分がメインで申請したカテゴリーで注文してください。
プレートと一緒に用意しておきたいものが「帳簿」です。
帳簿というのは取引の明細を示すものです。
古物商を営む人は必ず「どこから仕入れてどこに売っていくら利益が出た」という
日々の取引を記帳する義務があります。
「エクセルで管理しているから必要ないです」
という方も形として1冊持っておいてください。
エクセルで管理している方は別に記入しなくて構いません。
ただ、「所持」はしていないといけないのです。
もちろんその帳簿を使って管理しても構いません。
これも警察署で売っていますし、ほかで買っても構いません。
審査に合格すると警察署から連絡が来ますので、古物許可証をもらいに行きましょう。
簡単な説明を受けて許可証を交付してもらって終了です。
お疲れさまでした。
あとは古物商プレートを玄関先の目立つところに掲示すれば、晴れてその日から古物商です。
この日から古物営業者として警察に登録されますので、
しっかりと帳簿やと取引の管理を行い、しっかりと納税しましょう。
まとめ
古物商許可はせどりを行う以上必ず必要になる許可です。
普通の生活を営んでいる方なら19000円と必要書類の記入をするだけで簡単に取得できます。
申請はちょっと大変ですが、
めんどくさがって許可を受けずにせどりを行っていると最悪逮捕される可能性もありますよ。
もし、時間がないとか、申請が面倒という方は
行政書士などに依頼をすると総額5~6万円くらいで代行してもらうこともできます。
依頼するとほぼ何もしなくても許可を受けられるので、
資金に余裕がある方はこちらを利用するのもおすすめです。
もちろん自分で申請すれば20000円程度で済みますので、
自分にやるに越したことはないのですが。
せどりをやっているといずれ古物商許可は必要になってきます。
取得には時間のかかるものなのでせどり事業が軌道に乗ってきたら是非取得するようにしましょう。
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