せどりを始める。
つまり事業を始める事です。
事業である以上、よほど規模の小さい副業せどらーでもない限り必ず「確定申告」をする必要があります。
今までサラリーマンだった人にとって確定申告は初めての経験になると思います。
「そもそも確定申告って何?」
「何を準備しておけばいい?」
「どうやってやったらいい?」
と、「???」だらけだと思います。
そこで今回はそんな事業を始める、もしくは始めたばかりの人のために、
- 確定申告とは何か
- 何を準備しておけばいいか
- どうやって進めたらいいのか
など、確定申告の手順や情報を解説します。
確定申告の説明から前準備、必要な書類、確定申告に関する情報など、
事業を始めた日から来年の確定申告までの手順です。
なお、せどりでしっかりと利益を出していこうと思う方は「開業届」を出して「青色申告控除」を受けると思いますので、本記事でも開業届と青色申告承認書を出す前提で解説しています。
ただし確定申告のやり方そのものはほぼ同じなので、
- 開業届を出さない
- 青色申告を受けない
- 副業せどらー
の確定申告の際にも参考にしていただけます。
難しい用語もたくさん出てきますが、その場でできるだけわかりやすく解説を入れるようにします。
確定申告とは
ここでまずは確定申告に関して簡単に解説します。
確定申告とは、一言でいうと
「去年儲かった分を申告してその金額に対する税金を確定させる」
申告の事です。
つまり自分で事業の利益を計算して、納めるべき税金(所得税・住民税など)を国に対して報告するわけです。
サラリーマンの時はこんなことしませんでしたよね?
なぜ会社員はこの確定申告をしないのか。
サラリーマンの場合は会社があなたに代わってあなたの確定申告(のようなもの)を行ってくれています。
それを元に、会社員の方は毎月の給料から所得税も住民税も保険料も天引きされている場合がほとんどです。
会社員は税金に対して「何もしなくていい」んです。
そのため会社員にとって確定申告は「???」になるわけです。
しかし事業主はそうはいきません。
あなた以外、誰も事業の内容を把握していないわけですから、自分で事業の内容を1年間しっかりと記録し、正しい利益を算出して国に税金額を申告しなければいけません。
- 1年間の事業の内容をきちんと記録、把握する
- それを元に翌年の2~3月にその年の税金額を確定させる
これが確定申告です。
なお、確定申告が必要なケースは以下の場合です。
- 副業の場合は年間20万円以上の所得
- 本業の場合は年間38万円以上の所得
本業でやっている方はほとんどの人が超えますね。
でないと月収3万円以下で生活している計算になってしまいます。
つまりよほど小規模でお小遣い(月15,000円程度の利益)を稼いでいる副業せどらー以外のほとんどのせどらーは確定申告の必要があるということです。
開業から確定申告の手順
では最初に確定申告の大まかな流れを見ていきましょう。
- 開業届を出す
- 青色申告届け出
- 帳簿記帳
- 必要書類を集める
- 書類を作成する
- 申告会場に行き確定申告する
赤文字の1~3までは事業を始めた日からその年の12月31日まで行う準備。
黄文字の4~6はその年の12月下旬あたりから確定申告が始まる翌年2月中旬までの準備です。
手順にするとたった6ステップですが一つ一つが非常に細かくて複雑です。
次の項目で1つずつ細かく解説していきます。
確定申告までの準備
1.開業届を出す
まず、せどり事業を始めたら開業届を出しましょう。
開業届はいわゆる国などに対して
「これから事業を始めますよ」
という正式な挨拶というか報告みたいなものです。
これは法律で定められている物ではありません。
確定申告さえきちんと行えば事業開業届は別に出さなくてもいいのです。
ですが、事業届けをしておくと、以下のようなメリットがあります。
- 65万円という高い青色申告控除が受けられる
- 社会的信用ができる(個人に卸さない問屋からも仕入れが可能になる)
- 屋号で事業用の銀行口座を作れる
はっきり言って長く事業をするつもりなら開業届は出すべきです。
特に65万円の青色申告控除を受けないというのは単純に「金額的な損失」です。
副業でやっていて20万円超えそうにないとか、そういったよほどの理由がない限りはきちんと開業届を出しておきましょう。
なお、会社員でも開業届の提出は可能です。
(会社がOKするかどうかは別問題ですが)
開業届の出し方ですが、事業を始めたらなるべく早めに(その日でなくても大丈夫)
- 税務署に「個人事業の開始・廃止等届出書」を出す
- 都道府県の「税事務所」に「事業開始申告書」を出す
の2手順で完了します。
開業届、というと
通常は税務署に出す「個人事業の開始・廃止等届出書」のことを指しますが、
都道府県によっては税事務所に「事業開始申告書」を出すよう促されることもあるようです。
やらないよりはやっておいた方がいいと思うので、2つとも提出しておきましょう。
書類の名前が似てて、提出先の名前も似ているので混乱しないようにしましょう。
税務署は国の管轄で主に所得税、
一方、税事務所は都道府県の管轄で主に住民税の支払いを担当する全く別の機関です。
どちらの書類も税事務所と税務署に用紙がありますが、県庁や国税庁のHPからダウンロードすることも可能です。
- 直接税事務所や税務署に行って用紙をもらいその場で記入
- HPからダウンロードして記入して持っていく
どちらでも構いませんが、直接行って書き方を教わったほうが間違いも少なくスムーズです。
なお、税務署に行くときはついでに次で解説する「青色申告承認申請書」も記入して一緒に提出してしまいましょう。
二度手間にならずに済みます。
2.青色申告の届け出を出す
税務署に開業届を出したらついでに青色申告承認申請書も出してしまいましょう。
これで翌年の確定申告時に青色申告による65万円の控除を受ける資格が得られます。
青色申告というのは
「正確な事業帳簿を付ける代わりに税制的に優遇される」
制度です。
この正確な事業帳簿というのは「発生主義による複式簿記」のことを指しますが、これは非常に難しいのでいったんは忘れてもらって大丈夫です。
会計ソフトを使用すれば自動的に発生主義の複式簿記になりますので、あまり深く考えなくても大丈夫です。
青色申告承認申請書は出せる期間が決まっています。
- 1月1日から15日までに事業を始めたら3月15日までに青色申告承認申請書を提出
- それ以外は事業開始後2カ月以内に提出
この期間を過ぎると青色申告承認申請書を受け付けてもらえなくなり、
翌年度の確定申告は控除が全くない「白色申告」になってしまいます。
うっかりや万が一を避けるために先述したように税務署に開業届を出す際、一緒に提出してしまいましょう。
3.日々の帳簿付けを会計ソフトで記録しておく
開業届と青色申告承認申請書を出したらあとは12月31日まできちんと帳簿を付けて日々の事業の記録を残すようにしましょう。
先ほども書きましたが、青色申告や確定申告を行うためには「毎日の正確な帳簿」が必要不可欠です。
これを「簿記」「経理」「帳簿付け」などと呼びます。
これがしっかりできていないと、確定申告はできません。
最悪1年分を全てやり直す羽目になりますので、事業を始めた日から会計ソフトを使ってしっかりと記録していきましょう。
面倒な日々の簿記や収支計算も入力するだけで簡単に行えますし、
しかも入力するだけで先ほど話した発生主義の複式簿記になります。
後述しますが、会計ソフトがあるとこの帳簿付けが楽になるだけでなく、確定申告の時の書類作成も簡単になります。
本来プロ(税理士)に作成を依頼しないといけないくらい複雑な確定申告用の書類が自分で出せるようになります。
会計ソフトを使った簿記のやり方に関しては別の記事で詳しく解説していますので、こちらを参考にしてみてください。
発生主義の複式簿記に関しても説明していますので、経理の勉強にもなりますよ。
あと、せどりの仕入れや使った経費のレシート、収支の記録などはすべていつでも見られるよう保存、保管しておいてください。
これらはあなたの事業の帳簿を裏付ける証拠になるものです。
最低5年間は保存の義務があります。
万が一紛失すると経費や収支を証明できなくなりますので、気を付けましょう。
次の記事では12月から確定申告当日までの流れを解説します。
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