前編ではYahoo!ショッピングや楽天市場に出店するメリットや、
実際にかかるコストを比較しました。
今回は集客力や流通総額などのコスト面以外の観点で比較していきます。
そしてこれらの条件を加味したうえでお勧めのモールも提案します。
集客力・流通金額・出店店舗数
前回の記事でYahoo!ショッピングに比べて月10万円近いコストの差が出た楽天市場。
では本当に楽天の利用料は高いのか。
費用面以外でYahoo!ショッピングと楽天市場を比較してみましょう。
集客数
商品を売るために一番重要な集客数です。
どんないい商品もお客さんが多く集まってきて、
見てもらわないと売れません。
集客数を比較するデータはマーケティング調査会社ニールセンデジタルが公表した
2018年のアクセス数データで見ていきます。
アクセス数なので実際に商品を購入していないユーザーも入っていますが、
アクセス数と購入比率は基本的に比例しています。
(ただしAmazonはリサーチアクセスが多いので例外)
この会社の調査によると2018年の1か月あたりのアクセス数は以下の通りです。
なお、参考までにAmazonの数字も入れてあります。
- Yahoo!ショッピング 約2600万PV
- 楽天市場 約4000万PV
- Amazon 約4000万PV
Amazonと楽天市場がほぼ同じアクセス数ですね。
それに対してYahoo!ショッピングは約2600万PVと楽天市場に比べて約40%程度落ちます。
単純計算ですがアクセス数が売り上げに比例することを考えると
Yahoo!で出店した場合楽天に比べて売り上げが約40%ほど落ち込む可能性があります。
集客数では圧倒的に楽天市場のほうが上になります。
流通金額
次に流通金額です。
これはどれだけそのモールから商品が売買されているかという数字です。
2017年の数字になりますが、各社の決算資料によると
各社の流通総額(Amazonは非公開のため予測値)は以下の通りです。
- Yahoo!ショッピング 6200億円(ただしASKULを入れると9000億円程度)
- 楽天市場 3.4兆円
- Amazon 1.3兆円
流通額をグラフにすると楽天市場が圧倒的な取引高になっているのがわかりますね。
Yahoo!ショッピングと比べると5倍以上もの差があります。
どちらのモールが売れているかは一目瞭然です。
Amazonと比べても倍近い差があります。
実質日本で一番商品が売れているモールといっていいでしょう。
出店店舗数
最後に店舗数です。
そのモールにどれだけのお店が出店しているかを比較しました。
数字は2018年時点のものです。
- Yahoo!ショッピング 約650000店
- 楽天市場 約45000店
- Amazon 約250000店(予測値)
意外なことにYahoo!ショッピングが65万店舗とダントツでした。
次いでAmazonの25万店舗。
楽天市場はあれだけの流通額にもかかわらずわずか4万5000店舗しかありません。
この数字から見えるのは、
Yahoo!は1店舗当たりの売り上げは楽天に比べて低いという事です。
楽天市場はわずか45000店舗で3.4兆円取り扱っているのに対して、
Yahoo!ショッピングは650000店舗で6200億円。
集客力でも1店舗当たりの売り上げでもYahoo!ショッピングに比べて楽天市場は圧倒的に勝っていることが分かります。
おすすめは楽天市場への出店
確かにYahoo!ショッピングは運営コストが低い点で非常に魅力的に映ります。
しかし集客数や売り上げなどのアクティブデータを見ると
多少運営コストがかかっても楽天市場への出店のほうが良いでしょう。
いくら運営コストが安くても、商品が売れないと意味がないですからね。
Yahoo!に比べて月に10万円ほど多くかかってきますが、
それ以上に集客できていることを考えると決して高くはありません。
もちろんYahoo!ショッピングにはYahoo!ショッピングのメリットがあります。
例えば出店審査。
Yahoo!はeコマース革命というEC事業部のテコ入れを行い
、多くの事業者に門戸を開いています。
そのため、Yahoo!ショッピングへの出店は
規模の小さいせどらーでも比較的簡単で、審査が通りやすいというメリットがあります。
逆に楽天市場は品質重視を掲げており、審査は比較的厳しめです。
なので、100%楽天市場がおすすめというわけでもありませんが、
特に戦略がないなら楽天市場への出店を検討してみましょう。
各モールの特性
最後に売れやすさやコストではなく、
戦略別の別にYahoo!ショッピングと楽天市場を比較してみましょう。
使い分けとしては以下のようになります。
Yahoo!ショッピングをお勧めする人
- 将来的に自社のECサイトを検討している方、または既に持っている方
- 雑貨などの低単価商品を多く扱う人
楽天市場に比べると規模の小ささによる売り上げの伸び悩みの可能性は否めません。
ただ、やはりランニングコストが50000円以下というのは
小規模せどらーからすると魅力的です。
そんなYahoo!、実はYahoo!ショッピングのページから
自社のECサイトに顧客を誘導できるんです。
もちろん公式に認められています。
そのため、自社のECサイトを持っている人はYahoo!にリンクを貼って
Yahoo!ショッピング+自社ECサイトで商品を販売することもできます。
また、今はECサイトを持っていなくても
いずれOEMなどでオリジナル商品展開の物販事業を考えているせどらーにもお勧め。
事前にショップ運営のノウハウを学ぶ場所として
コストの低いYahoo!である程度売り上げを上げながら運営してみるのもいいでしょう。
Yahoo!ショッピングで売れやすい商品は低単価の雑貨関係ですね。
もし雑貨関係を薄利多売で売っていくスタイルであれば、
Yahoo!ショッピングが選択肢に入ってきます。
楽天市場
- 売り上げ第一
- 季節ものや食品などを扱う
Yahoo!ショッピングに比べて圧倒的なアクセス数と集客力、流通額を誇る楽天市場。
とにかく商品を売る、という事を考えたら楽天市場一択です。
ランニングコストは高めですが
それ以上に高い集客力で商品が売れるのであればデメリットになりません。
また、楽天は季節・イベントものや食品が売れる傾向にあります。
自分の扱っている商品がイベントや季節もの、食品だった場合は
楽天市場のほうが売れるでしょう。
まとめ
販売力強化やリスク分散でAmazon以外の販路を拡大しようと思ったときは、
Yahoo!ショッピングか楽天市場への出店を検討してみましょう。
中でも楽天市場はYahoo!ショッピングに比べて多少コストが高くなりますが、
圧倒的なアクセス数と流通総額で非常に商品を売りやすいサイトと言えるでしょう。
自社サイト販売強化や自社ショップ構築の練習用など、
Yahoo!にする戦略上の理由がないなら楽天市場での出店をお勧めします。
ただし、どちらにしても月5万~15万近いランニングコストは
小規模のせどらーさんには大きな負担になります。
ある程度の売り上げを見込めるようになるまでは
無理して出店しないようにしてください。
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