せどり事業を始めて、まず不安になるのが来年の確定申告。
問題なく確定申告ができるかどうかは毎日の管理にかかっています。
特に毎日の帳簿の記帳、簿記は毎日の記入の積み重ねです。
正しく理解し、しっかりと帳簿付けしないと、年末に確定申告用の書類が
作成できなくなったり、何十時間も修正する事態に陥ってしまうかもしれません。
確定申告用の書類の作成は年末が近づいてきてからでも遅くはありません。
(もちろん理解しておくに越したことはありませんが)
まず一番最初に理解するべきは日々の簿記付けです。
今回はそんな確定申告に向けて毎日の管理が必要な経理、簿記について解説します。
なお、税制上圧倒的に有利なのは「青色申告」による「65万円控除」です。
この控除を受けるためには簿記をある程度理解しなければいけません。
この記事でも65万円控除を受けるための青色申告に焦点を当てて解説していきます。
前編・後編と長い記事になりますが、せどりをやる以上絶対に必要な知識です。
できるだけ難しい用語はかみ砕いて解説していきますので是非最後まで読んでください。
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■確定申告における【簿記】とは
確定申告をざっくりと説明すると
「去年一年間、事業による所得(利益)がこれだけあったので税金をこれだけ払いますよ」
という「自己申告」をする事です。
自分の事業の収支すべてを報告するのです。
自分の事業の収支全てを報告するには自分の事業のすべてを把握していないといけません。
- 何月何日に何を仕入れた
- 何月何日にいくらで売った
- 経費はこれだけかかった
- 利益はどれくらい出た
こうした事業の流れを1月1日(もしくは事業を始めた日)から12月31日まで全て記録する。
これが簿記です。
この簿記をきちんと行わないと
- 自分がいくら儲かったのか
- どれだけの経費が掛かったのか
がわからないため、申告できません。
そうならないように毎日、自分の事業で起きたお金や商品の流れを
全て記入する必要があるのです。
簿記は当然事業を始めた日から漏れなく記帳しなければいけません。
今日事業を始めて、早速商品を仕入れたら今日から記帳です。
定期的に後からまとめてやってしまっても構いませんが、
あとからやるのは非常に大変です。
できれば毎日コツコツ記入していく方がいいでしょう。
なお、簿記には記帳、経理、帳簿付けと色々な呼び方があります。
- 簿記→記帳方法や技術全般を指す
- 記帳→帳簿に書き込むこと
- 帳簿付け→帳簿に記入すること
- 経理→金銭出納(すいとう)に関する事務
つまり全部ほぼ同じ意味合いです。
ややこしいのでここではできるだけ簿記と記帳で統一します。
■簿記を簡単にするために
簿記は毎日正確にやらなければいけません。
しかしこの簿記、実際は専門の資格(簿記○級)があるくらい難しいものです。
しかも65万円の控除を受けるためには書き方や書式、ルールがある程度決まっています。
65万円の控除を受けるための簿記の仕方を専門用語で発生主義の複式簿記と言います。
(非常に難しいのでここでは用語だけ覚えてください)
簿記の経験が無い人がこれをexcelやノートでやろうとするのはほぼ不可能です。
覚えるにしても1週間2週間で覚えられるものではありません。
そこで利用してほしいのが「会計ソフト」。
複雑で難しい簿記ですが、これを使えば金額と理由を入れるだけで
簡単に記録できるようになります。
会計ソフトに項目と金額を入力するだけで帳簿の計算は会計ソフトがやってくれます。
金額が間違っていたら間違っていますと表示されますし、
入力のサポートもしてくれるので非常に便利です。
そのほかにもクレジットカードや事業用の口座と紐づけて管理をしてくれる機能や
計算ミスを確認してくれる機能も付いています。
そして年末に全員が頭を悩ませる
- 「確定申告書B」
- 「損益計算書」
- 「賃借対照表」
といった確定申告に必要な書類の作成をほぼ自動で行ってくれる点も大きいです。
(これらの書類は別の記事で詳しく解説しますので、いったんは名称だけ覚えてください)
本来なら税理士さんに依頼して作ってもらう書類です。
これが自分で作成できてしまうのです。
もちろん自動と言っても日々の記帳をしっかりと行っている場合です。
会計ソフトですが、有名なところでは以下ソフトが使われています。
- MFクラウド会計
- 弥生オンライン会計
月々の使用料も規模が小さいせどらーなら数百円程度で利用できます。
(もちろんこの使用料もきちんと経費計上してください)
これらを利用することで難しい専門用語を覚えなくても
ある程度誰でも簿記ができるようになります。
たった月々数百円で簿記が簡単になり、
間違いが減って、時間が節約できるなら安いものですね。
簿記で悩む時間や手間を惜しむなら是非登録しておきましょう。
もし、
「複式簿記の発生主義で記録するけど会計ソフトは使わない!」
という場合は記帳の難易度が大幅に上がります。
(それこそ簿記○級とかが取れるレベルです)
その場合は税理士さんに相談するとか、
本格的に簿記を習いに行くなどした方がいいと思います。
よほど簿記に興味があるなどの特殊な場合を除いて、会計ソフトを使わない理由はありません。
■会計ソフトの便利機能
数字や項目を入力する事で簡単に簿記を行える会計ソフトですが、
それ以外にも様々な便利機能があります。
その中でも特に便利な連係機能について解説します。
○口座自動連携・クレジットカード明細自動連携
事業用の口座やクレジットカードを登録すると入金や引き落とし、
取引先のデータまですべて自動で取り込んでくれる機能です。
こんな感じですね。
お金や取引に動きがあれば自動で日付や金額を取り込んでくれるので、
あとは勘定科目(お金の絡んだ取引の理由のようなもの)を選んでOKを押すだけです。
何回か同じ取引をしているとそのうちソフトが取引内容を覚えて
勘定科目まで自動で表示してくれるようになります。
この機能を使うことで入力忘れや金額間違いが発生しません。
使えば使う程、簿記が楽になります。
事業主には必須のソフトと言っていいでしょう。
次回の後編では会計ソフトを使って実際の入力方法を解説していきます。
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